ANNUAL MEETINGS
年次大会

九州両生爬虫類研究会 第13回大会 大分大会

        

 新型コロナウィルスの影響よる2021年の大会中止,2022年のオンライン大会を経て,3年ぶりの対面での大会を大分県で開催することができました!

特別講演では,当会新会長になられた松尾公則先生に「高校教師としてできること・できたこと」をご発表いただきました。
生き物好きの松尾先生がさらに生き物好きになった倉本前会長とのエピードや生き物好きの子どもたちを育てるための工夫やコツ,さらには両生爬虫類を追いかける中で出会った発見や感動をユーモラスにお話していただきました。

口頭発表は,サンショウウオ,イモリ,カエル,カメ,ヤモリ,キノボリトカゲ,ヘビとバラエティに富んだ内容で,九州・沖縄の両生爬虫類の多様性とそれを研究する人たちの多様性も知ることができました。その質疑応答時間では多くの方が手を挙げて,活発な質疑応答や議論が繰り広げられ,対面大会の面白さを実感することができました。

一人一枚写真コーナーでは,25名が壇上に上がり,とっておきの写真を紹介していただきました。 力作ぞろいで甲乙つけがたい審査となりましたが,鵜川さんのアイフィンガーガエルの育児が3等賞,釜坂さんのツシマサンショウウオが2等賞,松向寺さんのあごが外れる(ネズミを食べるジムグリ)が1等賞を受賞されました。
受賞者の方々には,九州唯一のオオサンショウウオの生息地である大分県にちなんだオオサンショウウオが暮らす川の水で育まれた棚田米を原料として造られた純米焼酎などが贈られました。

翌日のエクスカーションは世界最大のオオイタサンショウウオの生息地である大分大学構内で開催されました。お目当てのオオイタサンショウの卵嚢や成体はもちろん,ニホンヒキガエルやヤマアカガエルなどたくさんの生き物に出会うことができました。
また,大分大学で飼育されている超希少なソボサンショウウオ(環境省特別許可個体)や新種記載されたばかりのニホウサンショウウオ(大分県特別許可個体)などをはじめとした大分県内の全サンショウウオを見学・撮影する場も設けられ,大いに盛り上がり,みなさま満足されて帰路に着かれました。

ご発表・ご参加いただきましたみなさま誠にありがとうございました。また来年,カスミサンショウウオの南限の鹿児島県出水市でお会いできること楽しみにしております。

日時:2023年2月18日(土)会場:J:COMホルトホール大分




特別講演

「高校教諭としてできること・できたこと」松尾公則


口頭発表

「五島列島産タゴガエルの遺伝的分化パターンについて」江頭幸士郎(北九州市立博)・松尾公則(長崎女子短大)

「宮崎県におけるヤモリ属 4 種の生息状況」末吉豊文(九州両生爬虫類研究会)・岩切康二(岩切環境技研株式会社) 森田祐介(NPO 法人おおいた生物多様性保全センター)

「ニホウサンショウウオの生活史」永野昌博・千原悠斗・三浦葵・菅原弘貴

九十九島周辺海域における 2022 年ウミガメ混獲状況」泉 徹耶(西海国立公園九十九島水族館)

「宮崎県日向市に定着したスウィンホーキノボリトカゲの越冬可能な地域の推定」今竹翔一朗(宮崎大院・医獣医)・岡亮太朗・脇谷晶一(宮崎大・農)・ 保田昌宏(宮崎大院・医獣医)

「鹿児島県甑島産アカハライモリの形態変化とその特徴」渡邊剛・尾込蒼空・大隣 尊・内原望来

「大分大学におけるオオイタサンショウウオの産卵の時空間的分布と産卵誘発要因解析」松向寺智哉・丸尾岳・永野昌博(大分大・理工)

「吐噶喇列島宝島のルートセンサスで確認されたヘビ類」藤田宏之(埼玉県立川の博物館)

「平安時代の京都にニホンヤモリは分布していたか」鶴澤光伸・疋田努(京都大学)


一人一枚写真発表

1stあごが外れる/ジムグリ 松向寺智哉

2ndツシマサンショウウオ/ツシマサンショウウオ 釜坂綾

3rdアイフィンガーガエルの育児/アイフィンガーガエル 鵜川亮



エクスカーション【2月19日(日)】

エクスカーション様子①

エクスカーション様子②

エクスカーション様子③



集合写真